2017年7月9日日曜日

まだその記憶が新鮮なうち読んで欲しい【サヴァイヴ】

自転車熱に火を灯す運命の一冊、サクリファイス ⇒ そしてSNSでも大反響だったシリーズ第二作目の エデン ⇒ ここまで読み終えたら、まだその記憶が新しいうちに手にしてほしいのがこのサヴァイヴ。というのも、これまでの主人公であった誓(主人公)が中心の物語ではなく、他の登場人物の過去にさかのぼって語られたスピンオフとなりシリーズで初の短編集だから。

前回の書評はこちら ⇒【エデン】


チームオッジの若きエースであるスプリンターの伊庭。
過去は誓(主人公)同様にアシストに徹していたが、現在は後輩指導にあたる赤城。
そして若き日の石尾の意外な過去などが短編ずつにわかれて描かれています。前二作を読まずに、先にこの本を手してしまうと、ちょっと消化不良を起こしちゃうかも。


まずはあらすじから・・・

” 団体戦略が勝敗を決する自転車ロードレースにおいて、協調性ゼロの天才ルーキー石尾。
ベテラン赤城は彼の才能に嫉妬しながらも、一度はあきらめたヨーロッパ進出の夢を彼に託した。その時、石尾が漕ぎ出した前代未聞の戦略とは―――――(「プロトンの中の孤独」)。エースの孤独、アシストの犠牲、ドーピングと故障への恐怖。シリーズに秘められた感涙必至のストーリー全六編。”



近藤 史恵の作品には順序良く本に巡り合えていないと、時系列的に少し混乱するかもしれない恐れもあるかなぁ。なんというか、スターウォーズ的だと言えばご理解頂ける人も多いかもしれません。現在・過去・未来がこの自転車シリーズ中でちょっとごちゃごちゃしているような。

私のいう表題通り、二作読破後のまだ記憶が新鮮なうちに、読んで頂きたい作品です。そうすることで。これまでの登場人物がどのようにサヴァイヴしてきたのかが見所となるのではないでしょうか?また作者の真意や、登場人物の作り上げ方が伺い知れるような面白い作品です。



そしてこれを読み終えたら、また第一作品のサクリファイスに戻れば、改めて新鮮な一冊として再び楽しめるに違いないかと!
なんだかんだ今回はちょっと辛口でしたが、それでもやはりお勧めしちゃいます。
では。本を読んだら感想を聞かせて!私のブログはポチを聞かせて!


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